RYT200 ヨガアライアンス ヨガインストラクターになるには ヨガ資格

RYT200は意味ない?後悔する人・しない人の違いを講師が解説

まとまった費用と、数か月の時間。RYT200を受けようか迷うとき、「意味ない」「後悔した」という言葉を目にすると、本当に受けていいのか不安になるものです。

RYT200に意味があるかどうかは、資格に何を期待するかで決まります。この記事では、資格の仕組みを確かめたうえで、養成講座で長く受講生を見てきた講師の話をもとに、取って後悔する人としない人の違いと、申込み前にできる準備を紹介します。

RYT200に意味があるかは「何を期待するか」で決まる

「取れば仕事になる」と期待すると意味がなかったと感じやすく、「基礎を学び、伝える側へ踏み出したい」人にははっきりと意味があります。

次のように期待している人は、修了後に「思っていたのと違った」と感じやすくなります。

  • 取れば、すぐに仕事や収入につながる
  • 200時間で、一人前に教えられるようになる
  • 取っておけば、何かの役に立つ

反対に、ヨガを基礎から体系的に学びたい人、ヨガを「受ける側」から「伝える側」へ一歩踏み出したい人にとっては、200時間の学びがそのまま力になります。

RYT200とはどんな資格か

RYT200は国家資格ではなく、Yoga Allianceの登録校で200時間の養成課程を修了した人が申請できる登録資格です。

RYT200は、アメリカの非営利団体Yoga Allianceに登録された「RYS200」というスクールで、200時間の指導者養成課程を修了した人が申請できます。200時間はひとつの課程で学ぶ必要があり、複数の短い研修を合わせることはできません(Yoga Alliance「Standards for Registered Yoga Teachers」、8ページ)。

学ぶ内容は、ポーズの練習と指導法、解剖学、ヨガの歴史や哲学、クラスの組み立て方など。スクールによって重点は違いますが、ヨガを教えるための基礎をひと通り学ぶ課程です。

「RYT200は意味ない」と言われる3つの理由

どれも「資格そのもの」ではなく、「資格に期待しすぎたこと」から生まれる不満です。

1. 取っただけでは、仕事や収入は保証されない

RYT200は、所定の学びを終えたことを示すものです。どこで誰に教えるか、どうやって生徒と出会うかは、修了後に自分で形にしていく部分です。

2. 200時間で、教えられるようになるとは限らない

200時間で身につくのは土台です。Yoga Allianceの上位の区分であるE-RYT200は、修了後2年以上かつ1,000時間以上の指導経験を条件にしています(同資料、10ページ)。制度そのものが、修了後の経験を別に重んじていることがわかります。

3. 登録を求めるかどうかは、教える場所によって違う

国家資格ではないため、RYT200の登録を求めるかどうかはスタジオや仕事先によって違います。登録や更新にお金がかかることも、「意味がない」と言われる理由の一つです。

修了後、Yoga Allianceへの登録は必要か

修了証はスクールから受け取るもの、RYT200の登録は自分で申請して年会費を払い続けるもので、この二つは別の手続きです。

養成講座を修了すると、スクールから修了証を受け取ります。そのうえでYoga Allianceに申請すると、RYT200として登録されます。登録には申請料50ドルと年会費65ドルがかかり、登録を続けるには年会費の支払いと継続教育の受講が求められます(同資料、6ページ)。

登録すると、Yoga Allianceの会員向けディレクトリに載り、生徒や仕事先とつながる手段の一つになります(同資料、4〜5ページ)。一方で、教える場所が登録を求めていない場合や、まず自分の練習を深めたい場合は、すぐに登録しないという選択もあります。

迷う場合は、次の二つを考えておくと判断しやすくなります。

  • 教えたい場所(スタジオ、フィットネスクラブ、オンラインなど)が、登録を求めているか
  • 年会費と継続教育を続けて、登録を保つ予定があるか

講座料金に登録料が含まれるかどうかは、スクールによって違います。

それでも200時間で確かに変わること

変わるのは二つ。「先生から学んだ」という安心と、「なんとなく」していたヨガを言葉で説明できるようになることです。

ここからは、養成講座で指導を続けてきたOMYOGAの講師に聞いた話です。

「先生から学んだ」というお墨付き

講師がまず挙げたのは、安心感でした。200時間を修了することは、先生のもとで基礎を学んだという認定を受けること。いわば「お墨付き」をもらうようなものです。初めて人の前に立つとき、「自分が教えてもいいのだろうか」という迷いを支えてくれます。

「なんとなく」が「説明できる」に変わる

もう一つは、自分のヨガの見え方が変わることです。体の動きの基礎、解剖学、ヨガの歴史や哲学を学ぶと、何となく続けていたポーズや呼吸に理由が見えてきます。理由がわかると、人に言葉で伝えられるようになる。その積み重ねが、講師として歩み出す自信になっていきます。

200時間では、ほとんどがまだ足りない

RYT200はゴールではなく、学びのスタートラインです。

講師に「200時間で足りないことは?」と聞くと、答えは「ほぼ全部」でした。

学び始めると、知らなかったころには気づかなかった疑問が増えていきます。知っているからこそわからない、という悩みです。それを一つずつほどいていく旅が、修了したところから始まります。20年以上教えてきた今も、その旅は終わらないそうです。

そう考えておくと、修了後に「まだ全然できない」と落ち込むことが減ります。足りないと感じるのは、学びが進んでいる証拠でもあります。

「意味がなかった」と感じやすい3つのケース

後悔の多くは、目的・学ぶ形式・時間のどれかが、申込み前に合っていなかったことから生まれます。

講師によると、「RYT200は意味がなかった」という声を直接聞くことは多くないそうです。ただ、期待とのずれが見えたケースはあります。

ケース1:目的があいまいなまま申し込んだ

コロナ禍の時期には、先の見えない不安から「とにかく資格を取っておこう」と受講した人も多かったのではないか、と講師は振り返ります。資格を取ること自体が目的になると、修了後に教える仕事へ進まず、「何のためだったのだろう」と感じやすくなります。

ケース2:学ぶ形式が、目的に合っていなかった

同じ時期にオンラインで修了した人の中には、生徒の体に触れて動きを導く指導に自信が持てず、あらためて対面で学び直した人もいました。

ケース3:受講中の時間が足りなかった

講師が「今は受けないほうがいいかもしれません」と伝えることがあるのは、時間のゆとりがないときです。講座から帰っても課題や復習に取り組めない、家族と過ごす時間との兼ね合いがつかない。受講を考える人の多くが抱える悩みです。

オンラインと対面、どちらを選ぶか

通いやすさを優先するならオンライン、人の体に触れる指導まで身につけたいなら対面での実習があるかを重視します。

オンラインには、移動がいらず、住む場所を問わず受けられる良さがあります。一方で、ケース2のように、生徒の体に触れて姿勢を整える指導や、同じ空間で人の動きを見る練習は、画面越しでは積みにくい部分です。

選ぶときは、次の点を説明会で聞いておくと安心です。

  • 授業はライブか録画か。録画の場合、質問できる機会はあるか
  • クラスを組み立てて発表する練習は、何回あるか
  • 体に触れる実習を、対面で練習できる日があるか
  • 欠席したときに、どう補えるか

オンラインで受けて、体に触れる指導だけ後から対面で補う、という組み合わせも選択肢になります。

後悔しないために、申込み前にできる準備

一番の準備は、受講期間中の時間を先につくっておくことです。

受講期間中の時間をつくっておく

忙しさは誰にでもあります。ただ、講座の期間はいつまでも続くわけではありません。コースによって違いますが、長くても半年ほどです。その間だけでも講座に集中できるよう、家の中の環境を整えておくと、学びの深さが変わります。

  • 食事を作り置きしておく
  • 家族に事情を話して、協力をお願いしておく
  • 授業の日だけでなく、課題と復習の時間もカレンダーに入れておく

情熱と時間とお金をかけるのですから、「時間がない」で終わらせず、時間をつくる工夫から始めたいところです。講師によると、受講生のほとんどがそうやって準備をして参加しているそうです。

講座料金以外のお金も含めて考える

教材、振替、移動や宿泊、Yoga Allianceへの登録料と年会費。どこまでが講座料金に含まれているかを見ておくと、総額で比べられます。

一度、実際のクラスや説明会に参加してみる

ヨガのクラスに通った経験が少ない場合は、申込み前に体験クラスや説明会に参加し、授業の進み方や講師との相性を感じておくと、受講後のずれが少なくなります。

修了後、学びを「意味のあるもの」にするには

修了後の数か月に、小さくても人に教える機会をつくれるかどうかで、200時間の学びが生きるかが変わります。

講師の言う「知っているからこそわからない悩み」は、教えてみて初めて見えてくるものが多くあります。修了後は、次のような形で学びを続けると、200時間で得た基礎が実際の力に変わっていきます。

  • 家族や友人に向けて、短いクラスを開いてみる
  • 卒業生向けの練習会や、基礎の再受講に参加する
  • 解剖学や瞑想など、興味を持ったテーマを絞って学ぶ
  • 将来的に、300時間の課程を重ねてRYT500を目指す(RYT500は200時間に加えて300時間の課程と100時間以上の指導経験が必要。同資料、9ページ)

取得後の働き方はRYT200取得後の働き方 副業と本業の現実で紹介しています。

まとめ

  • RYT200に意味があるかは、何を期待するかで決まる
  • 修了証と、Yoga Allianceへの登録は別の手続き。登録には年会費と継続教育が必要
  • 200時間で得られるのは、基礎を学んだお墨付きと、伝える側へ踏み出す自信
  • 仕事・収入・一人前の指導力は、修了後の経験で育っていく
  • 後悔しやすいのは、目的があいまい/形式が合わない/時間が足りないとき
  • 申込み前に、時間のつくり方と学ぶ形式を確かめておく

さいごに

「意味ない」という言葉が気になるのは、それだけ真剣に考えているからだと思います。受けるか、今は待つか。どちらを選んでも、自分の目的と暮らしに照らして決めたことなら、後悔は少なくなります。

RYT200の授業の雰囲気や、受講中の時間のつくり方を相談したい方へ